PowerMac G4 Cube 1GHz Upgrade
PowerLogix 社製 CPU カード PowerForce Series 100 G4/1GHz の取付け

Sonnet社Encore ST G4 1GHz が予約はしたものの、発売が何度も延期される状況に業を煮やして
ほぼ同仕様の PowerLogix製カードを OWCより購入してしまいました。9/7(土)に発注、9/12(木)
朝一番で Fedexにて到着。ちなみに $689、送料保険料が $35.10 でした。このカードは Cube 専用と
なっており、純正ヒートシンクとチップダイ間の熱を伝える大きなプレートが付いています。また、筐体に
装着する専用ファンが同梱されています。Cube以外のG4マシン用のバージョンはファン付きヒートシンク
が付いているようです。Sonnet社のものは Cube用も他のマシン用もカード本体は同じで、Cubeに装着
する場合はノーマルの放熱プレートを移植するようです。また専用キット(ファン等)を別途購入する
必要があります。

Encore ST G4 は、PowerMac G4(DA)にも使えるから、そっちに入れてもいいし・・・。
Encore ST G4 の方は L3が 1/2 の 500MHz(PowerForceは 1/4 の 250MHz)のようですから
パフォーマンスはあちらの方が高いのかも?
 


こんな素っ気ない“白箱”に入っていました。
 


内容物のすべて。CPUカード、ファン、取付け手順解説ビデオ(DVD)!、マニュアル。
 


マニュアルの一部。勿論英文ですが詳しい写真入りで細かなところまで判りやすく書かれています。
 


カードの表面と裏面。大きな放熱プレートが目立ちます。これが純正ヒートシンクと
密着するわけです。メインボードと接続するソケットは取り付けるまでピンの
損傷を防ぐためのカバーが付いていました。
 


同梱されていたファン。パナフロー、12V 0.12Aです。勿論 Cubeの電源基板に
あらかじめ設けられているコネクタにそのまま接続できるコネクタが付いています。
 


手順を解説したDVDビデオの画面。ステップごとに文字による解説の後、実際の
作業画面の画像が流れます。細かなこと(例えば、このネジだけは他と長さが
違う!とか)まで親切に解説されています。できれば別マシンで(私の場合は
iBook)これを見ながら作業をすると(必要に応じて一時停止させて)非常に
楽です。画像は小さいですが同じものの QT Movieがダウンロードも出来ます
 

とりあえず、手順に従って Cubeをバラシにかかりました。今までビデオカード、HDD、
光学ドライブの交換はやったことがありますが、CPUカードまでアクセスするのは初めて。
デスクトップ機の要領でささっと出来るかと思っていたら、結構大変ですね。
どちらかというと、ノートブックのバラシに近いものがある。バラシというより“解剖”?

ここでの注意点は、メインロジックボードを外す際にCPUボードの放熱プレートに貼ってある
グラファイトシート(?)がヒートシンクにかなりがっちりと密着しているので慎重に剥がす
事です。解説ビデオにあるようにプレートとヒートシンク間に比較的大型のドライバなどを入れ
少しずつこじるとうまく行くようです。私は間違ってもう少し上をこじっていたら、CPUボード
がヒートシンク側に残ったままメインボードが外れてしまいました。ま、それでも大丈夫
なのですが。
 
 
 
 
 


PowerForce(左)と純正 450MHz(右)のCPUボードの比較。ボード自体かなり大きいです。
PowerForceの方の放熱プレートはネジでがっちり固定されているので、外していませんが裏面のパターンを見ると
最初からDualCPU対応の基板になっています。純正 450MHz CPU ボードの放熱プレート(写真右)はバネ板で留まって
いるので簡単に外れます。
 
 
 
 

・・・・・・、で、仕事に行かなければならない時間が迫ってきたのでとりあえず、ここまで。


この状態で、お出かけです。帰ってくるまで誰も触るなよ!!!!!!!
 

(続きは、また今晩・・・・・・)
 

・・・・・・はい、続きです。
 
 


純正のCPUボードを外したときにヒートシンク側に残ったグラファイトシート(?)のカス。
マニュアル、解説ビデオでは何も触れられていませんが、一応綺麗に取り除きました。
PowerForceには特にシート、グリスなど付属していませんが、高性能グラファイトシートなどを
挟んだほうが良いのかも知れません。とりあえず、私は今回は何もせず。
PowerForceの放熱プレートの表面はかなり平滑に仕上げられているので密着性は良さそうです。
 
 


付属のファンです。ロジックボードを取り付ける前にリード線を通す位置を
確認しておいてください。(筐体の内側に来るように。外にはみ出るとインナーユニットと
透明ケースを抜き差しするときに引っかかる(噛み込んで)トラブルの元になります。
 
 

あとは、慎重に組み立てて出来上り。ネジの長さ等が微妙に違うところがあるので
解説ビデオ、マニュアル等を見ながら間違えないように!
 
 

いよいよ起動です。
起動ディスクをOS 9 側に指定してありましたが、一発でOK!
が、起動途中に「キャッシュメモリーに問題があります・・・、云々」のアラートが。
ありゃ? とりあえず OKを押して立ち上げ、システムプロファイルで見てみると
CPUスピード 1000MHz、L2 キャッシュ 256KB と表示されています。
とりあえず、サクサク動きますがベンチを取ってみるとどうもCPUクロック向上分は
数値が上っていない?
マニュアルを良く読んでみると L3キャッシュを認識させるには、PowerLogix社サイトから
機能拡張ファイルを取ってきてインストールしなければいけないことがわかりました。
これは、OS 9 版と OS X 版とありますから、両方使う場合はそれぞれインストールします。
ソフトウェアに類するものは一切同梱されていなかったので、てっきり何も無しで動作する
ものだと思い込んでいました。
これで、バッチリです。但し、 OS 9 のシステムプロファイルでは相変わらずオンダイの
L2キャッシュ分しか表示されませんが実際には L3キャッシュはちゃんと機能しています。

前述のアラートの件ですが、これもマニュアルに書いてありました。実際には無害であるので
無視しろと。これは OS X から立ち上げたときには出ません。OS X で立ち上げたあと、OS 9
側から立ち上げると出なくなる場合もある(らしい)というようなことも書いてあるのですが
私の場合は常に出てしまいます。いちいちOKを押さないといけないし、鬱陶しいので何とか
して欲しい部分ではあります。(再起動時は出ません)

ファンの音ですが、とても静かです。私の場合ビデオカードをファン付の GF3に換えてある
のでそのファンの音のやHDD(IBM AVVA 120GB/7,200回転)の回転音の方が大きく
殆ど気になりません。

使ってみた感じでは、当然ですが「超」速く、快適になりました。
OS X 10.2もサクサク動きます。(これは、一般的な感覚でという事です・・・・。私と
しては、どうしても OS 9 と較べてしまいますから、特に Finderの動きなどはまだまだと
いった感覚ですけど)安定性に関しては、まだわかりませんが、今の所 iTunesでフルスク
リーンのビジュアルをオンにして、MP3ファイル連続再生で数時間放置してありますが止ま
らずに動いています。

CPU温度は計測できるツールがないのですが、筐体温度は以前より格段に低くなっています。
以前は筐体触るとアッチッチ、CD、DVDなど長く入れておいたのを取り出すと、まさにトース
ターから出てくるパンのように熱くなっていたのが、ほんのり温かい程度になりました。
以前は上部排気口付近に手をかざすと「もわっ」とした熱い空気を感じた(自然対流ですから
熱風が吹き出てくるわけではありませんでしたが)のが、今は若干温かい空気が軽〜く吹き出
て来るような感じです。あんなファン一つですが、かなり筐体内の空気の流れが良くなって
いるように感じます。

しばらく使ってみましたが、温度上昇による問題はまったく無いようです。

一つ気がついたのが、スリープからの復帰が出来なくなってしまったことです。ファン、HDDは
回り出し、電源ランプも定常常態に戻りますが、モニタ画面は真っ暗のまま、キーボード、
マウス操作も受け付けず、強制的に電源断する他ありません。米国のサイトでも同様の症状が
2〜3 レポートされているようですが、GeForce3 に換装しているケースが多いのでその辺の
絡みもあるのかも知れません。

さて、お決まりの Norton SystemInfo の結果です。
計測条件は SystemInfo 指定の標準条件です。参考までにフルノーマル時(ビデオカード
純正 ATI Rage 128、HDD 純正 Maxtor 20GB/5,400回転)と、ノーマルクロックで
ビデオカードを GeForce3に、HDD を IBM AVVA 120GB/7,200回転に換装したときの
データも測定してあります。今回はこの状態で更に CPUを交換しています。
測定時の OSは 9.2.2、HDD の測定は第1パーテーション約10GB程使用済みのところで測定
しています。
CPU、FPU スコアが上るのは当たり前ですが、ビデオ、ディスクの数値にもかなりの向上が見られます。
 


 

2002年9月13日 記
2003年12月追記:
その後、Sonnet 製のカード(1GHz版と 1.2GHz版)も手に入ったので、そちらも取り付けてみました。
ベンチテストの結果は1GHz版は PowerLogix 製とほぼ同等、1.2GHz版もクロックが上がった分、比例して各スコアが上がっている程度なので省略します。
PowerLogix製と一番の違いは、ノーマルのヒートプレートを流用するということと、特別なソフトウェア(ドライバ)が不要だということです。
Cube 装着用のファンは、どちもほぼ同じもの(Panaflo 80x80x15、2000RPM程度)です。
Sonnet の 1GHz版は、当初 Cube で使用する場合は(消費電力の関係で)強化型の VRM と併用する事となっていましたが、それでもトラブルが
多発したためか、現在では Cube は使用対象機種から外されている用です。強化 VRMも発売中止になっています。
とりあえず、私のところの個体では、電源トラブルも無くちゃんと稼働(高負荷運転で1日放置しておいても問題無し)しました。
但し、スリープから復帰出来なくなる(OS 9、OS Xとも)という問題は解決されていません。

次に、Sonnet 1.2GHz 版を装着してみましたが、こちらの方が CPU チップのバージョンが新しいせいか、発熱は少ないようです。
また、スリープの問題も(1GHz 版よりボードのバージョンが新しいためか?)完全に解決されています。
現在この状態で、安定稼働中です。(HDDは IBM AVVA 120GB、ビデオカードは GeForce3 を使用)

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