G4 AGP 〜 QuickSilver 用の CPUアップグレードカードは Sonnet 社、PowerLogix
社等より各種発売されていましたが、
Dual CPU のものは、PowerLogix 社のものだけでした。
この度、GigaDesigns
社よりDual CPU のカードが発表に(不思議なことに同社サイトにはまだ記載がありませんが
OWC では販売されています)ましたので、早速入手しテストしてみることにしました。
同カードは 1GHz の PPC7455A を使用し 1.2GHz 動作確認済のもの
(G4 AGP Graphics/GigaBit Ethernet 用のものと G4 Digital
Audio/QuickSilver
2001/2002用の 2種類)
及び、1.25GHz の PPC7455B を使用し 1.4GHz 動作確認済の G4 AGP Graphics/GigaBit
Ethernet用、
同じく1.25GHz の PPC7455B を使用し 1.33GHz 動作確認済の G4 Digital
Audio/QuickSilver 2001/2002用の
4 種類があるようです。
ジャンパ設定により動作倍率を変更できるので、FSB=100MHz の G4 AGP Graphics/GigaBit
Ethernet 用と
FSB=133MHz の G4 Digital Audio/QuickSilver 2001/2002用
と区別する必要も無いのでは?
と思いますが
どこかに違いがあるのかも知れません。
今回は QuickSilver にて試用しますので、
1.25GHz(1.33GHz 動作確認済)Digital Audio/QuickSilver 2001/2002用を選択しました。
1.4GHz 動作確認済のほうが魅力的なのですが、QuickSilver で動かなかったら困りますからね。
このようにカード本体とヒートシンク/ファンは別の箱に梱包されています。
カードの入っていた箱の内容物のすべて。
CPUカード、マニュアル類(シングル用のものなので若干現物と記述が違う)、
Dual 専用の補足マニュアル(急いで作ったような紙っぺら一枚)
カード表側。非常にコンパクトな作り。結構しっかり作ってあるなという感じを受けます。
レギュレータチップの放熱用に銅板の小さなヒートシンクが付いています。
左右のレバーはヒートシンク&ファンの固定、圧着用のもの。
白いコネクタはファン電源接続用(左右どちらか一個使用)、その間のジャンパーが
倍率設定、その右の小さなジャンパーがコア電圧設定用。
銅製のがっちりしたもの。熱伝導シート(フェイズ・チェンジタイプ。圧着して熱が加わると
極く薄くなって固まる)が付けられている。
ファンは 8cm 角 1.5 cm 厚のもの。安物らしくチリチリと軸受けのガタのような音が
うるさいのは残念。風切り音はさほどでも無いのだが。
ノーマルや PowerLogix 社の CPU &ファンと較べてかなりコンパクトです。ファン用の追加配線等も
不要です。
装着はとても簡単です。まず本体背面パネルのネジ 2本を外し純正 CPUファンを一時取り外します。
ノーマルのヒートシンク、CPUカードの順に取り外し、G-celerator を取り付け、ヒートシンク&ファンを
載せてレバーで固定します。ファンの電源コードを白いコネクタ(左右どちらでも良い)に接続し、
ノーマルの CPUファンを元に戻して完了です。
ジャンパーは出荷時に 1.33GHz(10倍)に設定されていました。ジャンパー設定変更の説明はマニュアルに
記載されています。
とりあえず電源を入れてみたところ、全く問題なく立ち上がりました。ファンの音(回転音、風切り音でなく
軸受けのガタから発生しているような安っぽい音)が少し気になりましたが、ケースの蓋を閉めてしまえば
あまり聞こえなくなりました。気になる方は Panaflo や Minebea の 8cm
薄型ハイフローファンに取り替え
ればよいでしょう。
通常の使用では、特に問題は発生しません。熱の発生も 、低発熱の CPU と、うまく設計された
ヒートシンク&ファンのおかげで非常に少ないようです。蓋を閉めた状態でもアッチッチになる事は
ありません。
ヒートシンク自体は非常に薄いのですが、ずっしりした銅製でフィンのピッチも細かく熱伝導性能は
見るからに良さそうです。そしてこの薄さ故、蓋を閉めた状態で電源ユニットとの間隔が充分に取れる
ことが熱のこもりを防ぎ、ノーマル CPUファンから送られる外気を効率よく通過させる構造に
なっているのだと思います。
ちなみに、PowerLogix 製のカードは大型のヒートシンクとファンが付いているのにもかかわらず
蓋を閉めると、初期型のものではフィンの切り方が適切でないため、熱暴走を起こしやすく、後期型の
ものでも電源ユニットとギリギリの位置関係になるので、うまく空気が流れず、触れないほど熱くなります。
(蓋を開けた状態では抜群に冷えるのですが・・・・)
スリープからの復帰も(OS X では)問題ありません。但し OS 9 ではPowerLogix
製 Dual と同様に
スリープを選んだ時点でフリーズしてしまいます。これは仕方ない事なのかも知れません。
Xbench 1.1.3 での測定結果は以下のとおりです。
測定条件:ベースマシン G4 QS 867、Geforce4Ti、メモリ 1.5GB、
AEC6880M に WD1200JB(7,200RPM 8MBキャッシュ)2台ストライピング、OS
10.3.1
1.33GHz での結果です。
1.4GHz に上げてみました。動作に問題は出ません。
1.467GHz まで上げてみました。起動、ベンチマーク等では全く問題は出ません。
アプリケーションをいくつか(iTunes のビジュアルエフェクトと 3D の水槽シミュレータ、CPUモニタのゲージは二つとも
90〜100%をピクピク動いている状態)走らせて見ましたが、しばらく放っておいても一応問題は出ないようです。
ヒートシンクは 1.33GHz の時と較べて“やや”熱くなります。
ところが、問題発生しました! iTunes で オーディオ CD から MP3 変換をさせると(速い速い!
20 数倍速出ます!)
途中で必ず iTunes が異常終了してしまいます。アプリケーションが落ちるだけで、OS
は無事なのですが。
1.4GHz に戻すとこの問題は全く発生しませんので、やはり“オーバークロック”が原因という事なのでしょう。
コア電圧を上げてやれば状況は変わるかも知れませんが、まだそこまではやっていません。
という訳で、現在のところ 1.4GHz に戻し前述のアプリケーションを走らせ(CPUモニタのゲージ、二つとも90〜100%を
行き来している状態)一晩放っておきましたが、何も異状は起きていません。ヒートシンクの温度も“ぬるい”程度です。
この状態で、しばらく様子を見ようかと思います。
何故か メモリーテスト とグラフィックテストの一部の数値が GigaDesign
製 Dual は若干低くなって
いるようです。キャッシュメモリーの違いが関係してきているのかも知れませんが詳細は不明です。
Xbench の詳しい結果ファイルはこちらにありますので、必要な方はダウンロー ドしてご覧ください。