PowerMac G4 733(Digital Audio)を1.2GHz Dual に Upgrade !!
=== 1.33GHzで動作!!! ===

PowerLogix 社製 CPU カード PowerForce Dual G4 Series 133  1.2GHz

PowerLogix 社より発表されていた G4 1.2GHz Dual CPU カードがようやく出荷開始になりましたので、
早速入手して、PowerMac G4 733(Digital Audio)に装着してみることにしました。

このカード(PowerForce G4 Series 133)の対応機種は FSB 133HMz のPowerMac G4
(DigitalAudio、QuickSilver、QuickSilver 2002)となっています。
それ以前の FSB=100MHzの機種(AGP、GigabitEther、Cube)に対応した Series 100 も
リリースされています。
それぞれ、800MHz(133Dualは867)、1GHz、1.2GHz のシングル及びデュアルプロセッサバージョンが
あるようです。(但し、Cube では放熱、電源の関係上使用を推奨されていないものもあります)

同種のカードとしては、Sonnet社より 800MHz、1GHz、1.2GHz のシングルプロセッサのものが発売
されています。(こちらは FSB=100、133 自動判別して共用出来るようになっていますので、対応機種は
幅広くなっています。※下の方に写真あり)



内容物のすべて。CPUカード、ファン、マニュアル(簡単な紙一枚)。
 


カード表側。大きなヒートシンクががっちりと取り付けられています。
赤いケーブルは、同梱の冷却ファン接続用。
 


カード裏面。


<<参考>> こちらは同社のSeries 100(1GHz Single)の裏面。
このカードも Dual用に CPUが 2個実装出来るパターンが用意されていますが
今回の Series 133とは大幅にレイアウトが違います。(電源回路部が左右逆)
 

同梱されていたファン。パナフロー、12V 0.26Aです。配線はドライブ電源用ラインに
割り込ませる 4Pコネクタと CPUカードに接続するコネクタの 2ケ所に接続します。
これをヒートシンク上に、添付のビスで取り付けます。
※※ 標準装着の CPUファンは使用しません。QS の場合は、後から純正ファンを元あった位置に
  戻すことも出来ますが、DA の場合は物理的に付かないので取り外したままにします。
 


<<参考>> 各種 CPUカードの比較。左から DA 733 純製品、QS 867純製品、PowerForce 1.2 Dual。
 
 


これは、QS 1GHz Dual 純正品。


こちらは Sonnet社の 1GHz版カード。かなりコンパクトな造りです。ノーマルのヒートシンクを使うように
なっています。
 


このPowerlogixのカードを動作させるのに、特別なソフトウェアは必要ありません。添付のマニュアルは
Series 100と共通のものらしく、取りつけ手順等の写真も G4 AGP のものなので、ちょっととまどいます。
例によって取り付け手順の QT Movieがダウンロードも出来ます。ムービーは G4 QS を使っての解説です。
 


カードを取り付け、ファンを装着したところ。純正の CPUファンは使わない。(使えない)
取り付け手順のムービーを見るとファンは
ヒートシンクに密着して取り付けるようになっていますが・・・・・、


(これがムービーによる説明画像)

5ミリほどのスペーサーが付属しているので、ヒートシンクから浮かして取り付けます。
これで空気の流れがスムーズになります。
 


筐体の蓋を閉めるときに・・・・・


ファンがギリギリで当たります。完全に閉めてしまえば問題無いので、
ま、これはご愛敬ということで・・・。
(サードパーティー製のアップグレードカードでは良くあることです)


無事取り付け完了、OS 9、OS X からの起動も問題無し。
システムプロフィールで確認してみたら、何と CPUスピード 1.33GHzの表示。
Powerlogixのプロファイラーでも同様。

ベンチ取ってみると、確かに CPUスコアは 1GHzの約 1.3倍出ているから本当に 1.33GHzで動作
している模様。
情報によると、どうやら 1.25GHzのチップが載っているようで、10倍設定で出荷されているらしいです。
初期ロットのみ(チップの入手都合から)なのか、あるいは今後1.33GHz版として売り出すのかわかりませんが
ま、ラッキーだったことには違いありません。


さて、次は、お決まりのベンチテスト。

Norton System Info の結果です。System Info推奨設定での計測。
G4 DA 733は Apple純正 CPU、G4 DA 1GHz Singleは Sonnet社製 CPU、G4 QS 1GHz Dualは
Apple純正 CPUです。
OSは 9.2.2、ビデオカードはすべて GeForce 4Ti。
HDDは QSは AEC-6880M+WD1200JB ストライピング、DAはAEC-6880M+IBM AVVA
ストライピング、DA 1GHz Singleのみ IBM AVVA オンボード ATA接続ですので
ディスクの数値は絶対的比較にはなりません。

Photoshop 7でのフィルタ処理の所要時間も計測してみました。こちらは OS X(10.2.3)です。
4.12MBの画像に次のフィルタ処理。
ぼかし-放射状-ズーム-100%-高品質

G4 DA 733 44秒
G4 DA 1GHz 31秒
G4 QS 1GHz Dual 15秒
G4 DA 1.33GHz Dual 11秒

という結果でした。

ついでに OS 9でも同様の処理時間を計ってみました。(但し、こちらは Photoshop 5です)

G4 DA 733 63秒
G4 DA 1GHz 42秒
G4 QS 1GHz Dual 24秒
G4 DA 1.33GHz Dual 18秒

という結果になりました。
 

※テスト環境
 PowerMac G4(DigitalAudio)733 、メモリ 1.5GB、HDD:オンボード ATAに IBM AVVA 2台、
 AEC-6880Mに IBM AVVA 2台(ストライピング)、DVR-105、内蔵 MOドライブ、AirMacカード。
 OS 9.2.2 及び 10.2.3


安定性の方は、しばらく負荷のかかる処理をさせたまま放っておいても、フリーズしたり不安定になったりはしません。
ヒートシンクは結構熱くなりますが、今の季節では問題無いようです。夏になったらどうなるか?


問題点がただ一つありました。OS 9でスリープさせようとすると、フリーズします。一瞬ディスクにアクセスした瞬間に
ポインタが動かなくなってしまうようです。起動ディスクを変えてみたり、最小限のシステムから起動してみたりしても
100%再現性が有ります。HDDのスリープ(回転停止)、モニタ画面のスリープは問題有りません。
OS X側では、スリープ並びにスリープ解除も何ら問題無く動作します。

AEC-6880Mを取り外した「素」の状態、あるいは G4 QuickSilver 2002に取り付けた場合でもスリープ障害が
起こるのか、後で検証してみようと思っています。


動作クロック(1.33GHz)の件。Accelerate Your Mac! の2/14付けニュースでも取り上げられていました。
1.2GHz Dual 版に限って Series100は 1.3GHzに、Series133は 1.33GHzに設定して出荷されているようです。
尚、同サイトのレビュー記事を見ても、スリープ障害は発生していないようです・・・・・。


スリープについて追試してみましたが、ATAカードを取り外しでも駄目、メモリの挿し換え、ビデオカードを他の
ものに交換等もしてみましたが、改善しません。QS 2002 にも取り付けてみましたが、同様の症状が出ます。
メニュー、コントロールバーからのスリープ、時間設定による自動スリープは駄目。パワーボタンを押してのスリープ
のみ一回だけフリーズせずにスリープ出来た(復帰も問題無し)ので、なんとか改善の方法が、あるのかも知れません。

2003年2月14日 記 

実際使用する環境に設置してみた結果、筐体を閉めて使うと内部に熱がかなりこもってしまい、
フリーズの原因になることが判明しました。
筐体を開けた状態では、高負荷で連続稼働してもヒートシンクはほとんど熱くなりません。手で触ると「ヌルイ」
といった程度です。
解放空間において、CPU発熱量に対するヒートシンク及びファンの放熱容量は充分足りているという事です。
ところが完全に蓋を閉めた状態ではヒートシンクが手で触れないほどに熱くなり、フリーズの原因になります。
蓋を半開き(約 6〜7cm程)にして使えばヒートシンクを触った感じではは G4 QS 1GHz Dual のノーマル状態での
温度と同じくらいで、動作不良は全く起きません。

筐体内の空気の流れが不足して、廃熱しきれないのが原因なのでリヤパネルをくり抜き強力な吸い出しファンを
付けるなどの工夫が必要かも知れません。
最新情報によると、PowerLogix 社でも熱の問題は認識しているようで、最近の製品はヒートシンクが変更に
なっている(フィンの向きが90度変わっている)ようです。また、残念ながら安定性を重視した結果でしょうが
動作クロックが額面通りの 1.2GHz になってしまったようです。放熱さえうまく行けばチップ自体は 1.33GHz で
問題なく動作しますから、ちょっと勿体ないですね。
なお、他の方からのレポートでも OS 9 でメニューからスリープを選んだ瞬間にフリーズする現象は起きている
ようです。



熱の件ですがヒートシンクに付いているファンの取り付け方を変えて検証してみました。
本来は付属のスペーサーをかませてヒートシンクからファンが若干浮いた状態で吹きつけ方向で使用するように
なっています。解放された空間ではこの取り付け方が一番効率よくヒートシンクを冷やせるのは間違いありません。
ただし、G4 DA の場合、筐体の蓋を閉めた状態ではファンと電源ユニットの隙間が極小となり、かなりファンの
効率が低下してしまっているようです。筐体内に熱がこもる事と相まってヒートシンクが異常な高温になってしまいます。
そこでスペーサーを若干短いものに変える(電源ユニットとの間隔が多少開く)、スペーサーを使わずファンをヒート
シンクに直付けする(電源ユニットとの間隔は最大)、それぞれの場合でファンの方向を吹き付け、吸い出し逆に付けて
みる等を試してみました。

※吹きつけ方向
付属のスペーサー使用:電源ユニットに吸気が遮られ若干効率悪し。
短いスペーサー使用:電源ユニットとの隙間から吸気出来るので多少効率上る。
スペーサー不使用:ヒートシンクが抵抗になり若干効率下がる。ファン吸気面からの吹き返しもある。

※吸い出し方向
付属のスペーサー使用:電源ユニットに排気が遮られることと、ヒートシンクとの隙間が空きすぎて
           まわりの空気を吸うだけ。
短いスペーサー使用:電源ユニットとの隙間が出来るので多少効率上るがヒートシンクとの間にもまだ隙間があるので効率的に
          熱を吸い出せない。
スペーサー不使用:ヒートシンクの吸気抵抗はあるが、かなり熱を放散できる。排気も適当に拡散している感じ。

結局このマシンの場合、吸い出し方向でスペーサー不使用が一番良い結果が得られました。この状態だと蓋を閉めての
長時間運用が出来るようになりました。OS 9、OS X とも Capty での MPEG2 再生、iTunes でのビジュアル表示させての
MP3 再生を同時に走らせて(OS X の CPU モニタで見ると常に CPU 使用率合計 200% 近い)一晩動かしておきましたが
まったくフリーズしませんでした。蓋を開けてヒートシンクを触ってみると、以前は火傷しそうだったものが触れるくらいに
(それでも、まだかなり熱いですが)なり、電源ファンのからの排気は以前より熱くなっているようなので確かに放熱性能は
上ったようです。真夏になったらどうなるか?? という一抹の不安は残りますが・・・。

(2003年4月11日 追記)


改良型ヒートシンクについて。
PowerLogix社でも筐体蓋を閉めたときの冷却風経路の悪さについては認識していた模様で
最近リリースされているものは、ヒートシンクに大幅な変更が加えられています。

これは、発売当初のものを G4 QS に取り付けた状態ですが、ご覧のように純正 CPUファンは半分以上が
ヒートシンクの「壁」に遮られた状態になってしまいます。また、ヒートシンクに取り付けられたファンも
蓋を閉めた状態では吸気側が電源ユニットに遮られ充分な風量が得られません。黄色矢印のスペーサーは
少しでもこの間隔を稼ぐために当初付属してきたものよりも短いものに替えてありますが、それでも充分な
間隔は取れません。
 

こちらは改良型のヒートシンク。フィンの向きが90度変えられていて、後ろに見える純正 CPUファンの風が
うまく抜けるようになっています。ヒートシンク自体の高さもかなり低く押さえられ、スペーサーもナイロン製
の極く薄いものに変更されています。電源ユニットとの間に充分な間隔が取れるのでヒートシンクファンも効率
よく回りますし、純正 CPUファンからの風もヒートシンクを冷やすと共に外気を効率よく筐体内に取り入れる
ことが出来ます。
解放空間(蓋を開けた状態)では旧型の方がヒートシンクの放熱面積も広いので良く冷えますが、蓋を閉めた
状態では新型の方が確実に温度が下がります。
このヒートシンクに変更された時点で、出荷されるカードのクロックも 1.33GHz → 額面通りの1.2GHzに
落とされてしまったのですが、私はヒートシンクのみを新型に交換し、クロックは 1.33GHzのままで QSに装着して
使っていますが何ら問題は起きていません。CPUファンも純正の 4,500RPM品のままです。

設置場所の関係で、筐体後面と壁との間隔が余り取れないと、電源ファンからの熱い排気が壁に当たりはね返り、
そのまま CPU ファンから吸気されてしまいます。これを防ぐためにセパレータを作って見ました。


単にハガキをセロテープでリアパネル(ポート部分の凹みの縁に)に止めただけですが、こんなものでも
随分 CPU 部分の温度を下げる事が出来ます。

(2003年6月9日 追記)

また、DAに取り付ける場合は最初に書いたようにノーマルの CPUファン(ノーマルのヒートシンクカバーに
付いているので使えない。あるいは低クロックのものでは元々無い)を取り去ってしまう事になりますが、新型の
ヒートシンクでは DAで使う場合は(QSの純正ファンがあるあたりの位置に)6cmファンが取り付けられるように
なっています。現在は発注の際に QS用か DA用か指定して、DA用の場合は下の写真のように 8cmファンの他に
薄型 6cmファンがヒートシンクにスペーサーを介して取り付けられた状態で出荷されています。

  
 

(2003年7月25日 追記)


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